2012/03/17 正倉院正倉整備工事現場公開

雨模様でしたが、以前から予定していたことがあったので出かけてきました。
正倉院工事現場の見学です。

正倉院は大正時代にやった解体工事から約100年たってかなり痛みが目立ってきたので平成23年から修理を行うんだそうです。この工事の模様を５回にわたって公開する予定で、今回がその第１回です。

第１回ではまだ工事には取り掛かっておらず、正倉院を囲む建物が完成したところです。これによって、普段は遠巻きにしか見れなかった正倉院を間近で見ることができます。

この見学は予約制で、３ヶ月前にはがきで申し込んでありました。

一番早い時間にしたので、早起きして電車で出かけました。

東大寺参道
朝早いうえに雨なので、人通りが少ないです。



大仏殿を素通り

正倉院前に到着です。

受付を済ませて見学開始を待ちます。


予定の１０分前には入れてくれました。

正倉院を囲む建物ができていますね。


屋根があるので、雨降りでも問題なく見学できます。
傘置き場や、コインロッカー（コイン返却式）も用意してありました。

まずは脚柱部分の見学

一部の脚に巻かれた鉄のタガは、元禄の修理の時に巻かれたらしいです。



柱のヒビが大きくなってできたすき間に新しい木をつめたあとが見られます。

一段上がって、倉庫の高さから見学です。

中倉の扉


西倉




この、壁となっている板は、1300年の年月により縮んで、内側にそっているそうです。



東倉は、内部も見えるようになっています。


中にある、新しい木の棚は、明治時代に作られたものだそうです。当時、大きいガラス板を作る技術がなかったため、ガラスをヨーロッパから輸入したんだそうです。

かんぬきの上には紐を結んだ封印がされています。
これは、海老錠と呼ばれるかんぬきだそうで、紐の中に勅封紙という紙の封印が入っているそうです。正倉院は天皇の許可がないと開けられないので、そのための封印らしいです。

このへんも、柱にヒビがありますね。

もう１段あがって、屋根の見学です。

いろんな解説パネルも用意してありました。

正倉院は何度も修復工事を受けているため、いろんな時代の瓦が見つかるそうです。
江戸時代（元禄）

江戸時代（天保）

鎌倉時代

破損している瓦があちこちにみられます。




南東の鬼瓦

鎌倉時代

室町時代

明治時代


草が生えてしまっているところもあります。

北東の鬼瓦


大正時代

北西の鬼瓦
それぞれ時代も違うようで、デザインが違っていますね。

この鬼瓦には、寄進した人の名前とか日付が記載されています。



鎌倉時代

南西の鬼瓦

見学を終えました。
改めて外から眺めます。
普段の見学は、このくらいの距離から遠巻きに眺めるだけだそうです。

４年くらいの工事期間に５回の見学なので、次の見学会は１年後くらいでしょうか。
ぜひ、次回も来たいですね。

雨模様なので、寄り道はせずに帰りました。